—-開発者が2人で、意見がぶつかったりはしなかったのですか?
住職:
吉田さんが選んだのは「Visual Basic」という、非常にポピュラーで、どこに納品しても遜色がない開発言語でした。
でも、私が扱っているのは、ある和製のデータベースソフト。
昔はソフトウェアの「三種の神器」の一つとまで言われていましたが、その後、アクセスやらExcelやらいろいろなものが出てきたので、「知る人ぞ知る」くらいの存在になってしまいました。
そこで、吉田さんは製品として納められる開発を、私は内部の業務が滞りなく進むように開発をするというふうに、棲み分けをすることにしました。
リニアな対応ですから、開発のスピードは早いですよ!1日に3回バージョンアップする日もあります(笑)。
吉田:
まぁ、(1日に3回バージョンアップは)内部だからできることやと思いますけどね(笑)
住職:
東京御廟をつくろうというときも大変でした。
建物や内部の機能は「世界のTOYOTA」ですが、我々のような個人で取り組む開発スタイルとは違いますから、現場で至急対応しなければならないことは吉田さんと私で開発せねばならい部分もあるんです。
それに、当時、構造計算の偽装問題で建築基準法が厳しくなったことも重なり、建築や機械を納品する会社がなかなか決まらなかったのも大変でしたね。
吉田:
「ちょっと変わりましたよ」って連絡をいただいたから、担当者が変わったのかと思ったら、会社ごと変わってたんです(笑)
しかも、とある制御計の仕組みを外注すると法外な値段がかかるっていうじゃないですか。
だから、「えっ!?じゃあ、僕がつくります」と。
住職:
分からないところはわざわざ調べて開発してくれたよね。
吉田:
「作ります!」といってみたものの、あれは大変でした。
普通にパソコン触っているくらいなら絶対使わない機械制御のロジックでしたから(苦笑)
自動ドアはどうして開くのか、警報器がどうして鳴るとかね。
—-?
吉田:
例えば、ここにあるパソコンを借りて、ここの蛍光灯などの電気スイッチを切ったり入れたりする自動制御や遠隔操作する仕組みもつくれるようになるロジックです。
—-一体、それはどういうところで学ぶのですか? 素人には全然わかりません!
吉田:
学ぶというより、学ばざるを得ない状況をいただいたというのが正しいですね(笑)
―続く―